本仕様書は、3D都市モデル標準製品仕様書3.x版に基づいて整備されたCityGML形式の3D都市モデルデータをCesium環境で可視化するためのCesium 3D Tiles(以下「3D Tiles」といいます)またはMapbox Vector Tile(以下「MVT」といいます)データセットへの変換仕様(主に主題属性の構成)を説明するものです。
-
変換対象の地物型と変換結果データセット名
-
3D TilesとMVTの主題属性の構成
-
変換に使用するソフトウェア等
標準製品仕様書3.x版で定義されている空間属性を持つ地物型のうち、地形モデルを除くすべての地物型を可視化のためのデータ変換の対象とします。CityGMLおよびi-URの仕様に基づくフィーチャークラスについては詳細度別に、実質的に2Dの空間属性を持つもの(標準製品仕様書の規定に基づいてz=0で作成されるもの)はMVTに、3Dの空間属性を持つものは3D Tilesに変換します。公共測量標準図式の応用スキーマに基づくuro:DmGeometricAttribute型(空間属性を持つもの)およびuro:DmAnnotation型の属性として記述されたフィーチャー(以下「DMフィーチャー」と呼びます)は、すべてMVTに変換します。
# | パッケージ | 変換結果データセット名 | データ形式 | 概要(*補足説明は後述) |
---|---|---|---|---|
1 | 建築物モデル | bldg_lod1 | 3D Tiles | LOD1建築物モデル |
bldg_lod2 | 3D Tiles | LOD2以下の最大詳細度の建築物モデル | ||
bldg_lod3 | 3D Tiles | LOD3以下の最大詳細度の建築物モデル | ||
bldg_lod4 | 3D Tiles | LOD4以下の最大詳細度の建築物モデル | ||
bldg_lod1_no_texture | 3D Tiles | LOD1建築物モデル(テクスチャなし) | ||
bldg_lod2_no_texture | 3D Tiles | LOD2以下の最大詳細度の建築物モデル(テクスチャなし) | ||
bldg_lod3_no_texture | 3D Tiles | LOD3以下の最大詳細度の建築物モデル(テクスチャなし) | ||
bldg_lod4_no_texture | 3D Tiles | LOD4以下の最大詳細度の建築物モデル(テクスチャなし) | ||
bldg_dm_geometric_attributes | MVT | DmGeometricAttribute に記述されているジオメトリ | ||
bldg_dm_annotations | MVT | DmAnnotation に記述されているジオメトリ | ||
2 | 交通(道路)モデル | tran_lod0 | MVT | LOD0道路モデル |
tran_lod1 | MVT | LOD1道路モデル | ||
tran_lod2 | MVT | LOD2道路モデル(交通領域、交通補助領域) | ||
tran_lod3 | 3D Tiles | LOD3道路モデル(交通領域、交通補助領域) | ||
tran_dm_geometric_attributes | MVT | DmGeometricAttribute に記述されているジオメトリ | ||
tran_dm_annotations | MVT | DmAnnotation に記述されているジオメトリ | ||
3 | 交通(鉄道)モデル | rwy_lod0 | MVT | LOD0鉄道モデル |
rwy_lod1 | MVT | LOD1鉄道モデル | ||
rwy_lod2 | MVT | LOD2鉄道モデル(交通領域、交通補助領域) | ||
rwy_lod3 | 3D Tiles | LOD3鉄道モデル(交通領域、交通補助領域) | ||
rwy_dm_geometric_attributes | MVT | DmGeometricAttribute に記述されているジオメトリ | ||
rwy_dm_annotations | MVT | DmAnnotation に記述されているジオメトリ | ||
4 | 交通(徒歩道)モデル | trk_lod0 | MVT | LOD0徒歩道モデル |
trk_lod1 | MVT | LOD1徒歩道モデル | ||
trk_lod2 | MVT | LOD2徒歩道モデル(交通領域、交通補助領域) | ||
trk_lod3 | 3D Tiles | LOD3徒歩道モデル(交通領域、交通補助領域) | ||
trk_dm_geometric_attributes | MVT | DmGeometricAttribute に記述されているジオメトリ | ||
trk_dm_annotations | MVT | DmAnnotation に記述されているジオメトリ | ||
5 | 交通(広場)モデル | squr_lod0 | MVT | LOD0広場モデル |
squr_lod1 | MVT | LOD1広場モデル | ||
squr_lod2 | MVT | LOD2広場モデル(交通領域、交通補助領域) | ||
squr_lod3 | 3D Tiles | LOD3広場モデル(交通領域、交通補助領域) | ||
squr_dm_geometric_attributes | MVT | DmGeometricAttribute に記述されているジオメトリ | ||
squr_dm_annotations | MVT | DmAnnotation に記述されているジオメトリ | ||
6 | 交通(航路)モデル | wwy_lod0 | MVT | LOD0航路モデル |
wwy_lod1 | MVT | LOD1航路モデル | ||
wwy_lod2 | MVT | LOD2航路モデル(交通領域) | ||
7 | 土地利用モデル | luse | MVT | LOD1土地利用モデル |
8 | 災害リスク(浸水)モデル - 洪水 | fld_{admin}{river}{scale} | 3D Tiles | LOD1洪水浸水想定区域モデル *補足説明1 |
9 | 災害リスク(浸水)モデル - 津波 | tnm_{name} | 3D Tiles | LOD1津波浸水想定区域モデル *補足説明2 |
10 | 災害リスク(浸水)モデル - 高潮 | htd_{name} | 3D Tiles | LOD1高潮浸水想定区域モデル *補足説明2 |
11 | 災害リスク(浸水)モデル - 内水 | ifld_{name} | 3D Tiles | LOD1内水浸水想定区域モデル *補足説明2 |
12 | 災害リスク(土砂災害)モデル | lsld | MVT | LOD1土砂災害警戒区域モデル |
13 | 都市計画決定情報モデル | urf_{class} | MVT | LOD1都市計画決定情報モデル *補足説明3 |
14 | 橋梁モデル | brid_lod1 | 3D Tiles | LOD1橋梁モデル |
brid_lod2 | 3D Tiles | LOD2橋梁モデル | ||
brid_lod3 | 3D Tiles | LOD3橋梁モデル | ||
brid_lod4 | 3D Tiles | LOD4橋梁モデル | ||
brid_dm_geometric_attributes | MVT | DmGeometricAttribute に記述されているジオメトリ | ||
brid_dm_annotations | MVT | DmAnnotation に記述されているジオメトリ | ||
15 | トンネルモデル | tun_lod1 | 3D Tiles | LOD1トンネルモデル |
tun_lod2 | 3D Tiles | LOD2トンネルモデル | ||
tun_lod3 | 3D Tiles | LOD3トンネルモデル | ||
tun_lod4 | 3D Tiles | LOD4トンネルモデル | ||
tun_dm_geometric_attributes | MVT | DmGeometricAttribute に記述されているジオメトリ | ||
tun_dm_annotations | MVT | DmAnnotation に記述されているジオメトリ | ||
16 | その他の構造物モデル | cons_lod0 | MVT | LOD0その他の構造物モデル |
cons_lod1 | 3D Tiles | LOD1その他の構造物モデル | ||
cons_lod2 | 3D Tiles | LOD2その他の構造物モデル | ||
cons_lod3 | 3D Tiles | LOD3その他の構造物モデル | ||
cons_dm_geometric_attributes | MVT | DmGeometricAttribute に記述されているジオメトリ | ||
cons_dm_annotations | MVT | DmAnnotation に記述されているジオメトリ | ||
17 | 都市設備モデル | frn_lod1 | 3D Tiles | LOD1都市設備モデル |
frn_lod2 | 3D Tiles | LOD2都市設備モデル | ||
frn_lod3 | 3D Tiles | LOD3都市設備モデル | ||
frn_dm_geometric_attributes | MVT | DmGeometricAttribute に記述されているジオメトリ | ||
frn_dm_annotations | MVT | DmAnnotation に記述されているジオメトリ | ||
18 | 地下埋設物モデル | unf_{class}_lod1 | 3D Tiles | LOD1地下埋設物モデル *補足説明4 |
unf_{class}_lod2 | 3D Tiles | LOD2地下埋設物モデル *補足説明4 | ||
unf_{class}_lod3 | 3D Tiles | LOD3地下埋設物モデル *補足説明4 | ||
unf_{class}_lod4 | 3D Tiles | LOD4地下埋設物モデル *補足説明4 | ||
unf_{class}_dm_geometric_attributes | MVT | DmGeometricAttribute に記述されているジオメトリ *補足説明4 | ||
unf_{class}_dm_annotations | MVT | DmAnnotation に記述されているジオメトリ *補足説明4 | ||
19 | 地下街モデル | ubld_lod0 | MVT | LOD0地下街モデル |
ubld_lod1 | 3D Tiles | LOD1地下街モデル | ||
ubld_lod2 | 3D Tiles | LOD2地下街モデル | ||
ubld_lod3 | 3D Tiles | LOD3地下街モデル | ||
ubld_lod4 | 3D Tiles | LOD4地下街モデル | ||
20 | 植生モデル | veg_{class}_lod1 | 3D Tiles | LOD1植生モデル *補足説明5 |
veg_{class}_lod2 | 3D Tiles | LOD2植生モデル *補足説明5 | ||
veg_{class}_lod3 | 3D Tiles | LOD3植生モデル *補足説明5 | ||
veg_{class}_dm_geometric_attributes | MVT | DmGeometricAttribute に記述されているジオメトリ | ||
veg_{class}_dm_annotations | MVT | DmAnnotation に記述されているジオメトリ | ||
21 | 地形モデル | (PLATEAU VIEW での可視化対象外) | ||
22 | 水部モデル | wtr_lod0 | MVT | LOD0水部モデル |
wtr_lod1 | 3D Tiles | LOD1水部モデル | ||
wtr_lod2 | 3D Tiles | LOD2水部モデル | ||
wtr_lod3 | 3D Tiles | LOD3水部モデル | ||
wtr_dm_geometric_attributes | MVT | DmGeometricAttribute に記述されているジオメトリ | ||
wtr_dm_annotations | MVT | DmAnnotation に記述されているジオメトリ | ||
23 | 区域モデル | area_Zone | MVT | LOD1区域モデル |
24 | 汎用都市オブジェクトモデル | gen_{code}_lod0 | MVT | LOD0汎用都市オブジェクトモデル *補足説明6 |
gen_{code}_lod1 | 3D Tiles | LOD1汎用都市オブジェクトモデル *補足説明6 | ||
gen_{code}_lod2 | 3D Tiles | LOD2汎用都市オブジェクトモデル *補足説明6 | ||
gen_{code}_lod3 | 3D Tiles | LOD3汎用都市オブジェクトモデル *補足説明6 | ||
gen_{code}_lod4 | 3D Tiles | LOD4汎用都市オブジェクトモデル *補足説明6 |
fld_{admin}_{river}_{scale}
{admin}
: 河川管理者区分に応じて"natl"(国)または"pref"(都道府県)のいずれかです。{river}
: 入力データセットにおけるサブフォルダー名(水系名・河川名を表します)。{scale}
: 洪水規模に応じて"l1"(計画規模)または"l2"(想定最大規模)のいずれかです。
(tnm|htd|ifld)_{name}
{name}
: 入力データセットにおけるサブフォルダー名(浸水想定区域の名称を表します)。
urf_{class}
{class}
: 当該データセットに格納される都市計画決定情報モデルのフィーチャークラス名(UrbanPlanningArea, UseDistrict, FirePreventionDistrict など。名前空間修飾子を除く)。
unf_{class}_(lod[1-4]|dm_geometric_attributes|dm_annotations)
{class}
: 当該データセットに格納される地下埋設物モデルのフィーチャークラス名(WaterPipe, Duct, Manhole など。名前空間修飾子を除く)。
veg_{class}_(lod[1-3]|dm_geometric_attributes|dm_annotations)
{class}
: 当該データセットに格納される植生モデルのフィーチャークラス名(SolitaryVegetationObject(単独木)または PlantCover(植被)。名前空間修飾子を除く)。
gen_{code}_lod[0-4]
{code}
: 当該データセットに格納される汎用都市オブジェクトモデルフィーチャーのgml:name
の値(汎用都市オブジェクトを識別する名称を示すコード)。
下表に掲げる属性は原則としてすべての3D Tilesフィーチャー、MVTフィーチャーに付加します。ただし、災害リスク(浸水)モデルについては、可視化にあたって軽量化(浸水ランクごとにTINサーフェスを集約した後、外周上の頂点はそのまま残し、内部の頂点数を減らす)を行う都合上、入力データセットの図郭の範囲を超えて浸水ランク別にフィーチャー間の統合を行うため、meshcode
, gml_id
属性は付加しません。
# | 属性名 | 内容 |
---|---|---|
1 | meshcode | メッシュコード。入力gmlファイル名を_区切りで分割した場合の最初の要素を与与えています。 |
2 | city_code | 市区町村コード(5桁数字) |
3 | city_name | 市区町村名(標準のコードリスト"Common_localPublicAuthorities.xml"に基づいて取得した市区町村コードに対応する文字列) |
4 | feature_type | CityGML i-URで定義されているフィーチャータイプ(地物型)名 |
5 | gml_id | 各フィーチャーの gml:id 属性 |
6 | attributes | 全ての主題属性を元のXMLの階層構造に準じて格納したJSON文書 |
上記共通属性のほか、標準製品仕様書3.2版付属 ”template_objectlist.xlsx” [A.3.1_取得項目一覧] シートにおいて「拡張製品仕様書の対象とすべき主題属性」として「●:データ作成上必須」または「○:原則として入力」と指定されている主題属性(●、○がひとつもないフィーチャータイプについては主要と思われるもの)、および、標準製品仕様書3.4版で追加された不動産ID属性(建築物モデル)、標準製品仕様書3.5版で追加された公園管理属性(建築物、徒歩道、都市設備、橋梁、水部モデル)を抽出し、該当するフィーチャータイプのフィーチャーにそれぞれ単独の属性として付加します。具体的には「PLATEAU2023データ変換仕様【別添】地物型別のフラットにする属性.xlsx」を参照してください。
DMフィーチャーには、上記の共通属性および地物型別の固有の属性に加え、さらに表3, 表4に掲げる属性を追加します。
# | 属性名 | 内容 |
---|---|---|
1 | dm_attributes | 全属性をXMLの階層構造に準じた構造で格納したJSON文書 |
2 | dm_dmCode | DMコードの意味文字列 |
3 | dm_dmCode_code | DMコード |
4 | dm_geometryType | レコードタイプ |
5 | dm_geometryType_code | レコードタイプコード |
6 | dm_mapLevel | 地図情報レベル |
7 | dm_mapLevel_code | 地図情報レベルコード |
8 | dm_shapeType | 図形区分 |
9 | dm_shapeType_code | 図形区分コード |
# | 属性名 | 内容 |
---|---|---|
1 | dm_attributes | 全属性をXMLの階層構造に準じた構造で格納したJSON文書 |
2 | dm_dmCode | DMコードの意味文字列 |
3 | dm_dmCode_code | DMコード |
4 | dm_geometryType | レコードタイプ |
5 | dm_geometryType_code | レコードタイプコード |
6 | dm_shapeType | 図形区分 |
7 | dm_shapeType_code | 図形区分コード |
8 | dm_label | 注記文字列 |
9 | dm_isVertical | 文字方向 |
10 | dm_size | 字大 |
11 | dm_orientation | 角度 |
12 | dm_linewidth | 線号 |
13 | dm_spacing | 字隔 |
可視化用のデータ変換は、FME(カナダSafe Software Inc.製 2022.2.6以降のバージョン)によって表に掲げるワークスペースを実行することにより行います。
# | ワークスペース名 | 備考 |
---|---|---|
1-1 | PLATEAU3 可視化用データ変換01 建築物.fmw | |
1-2 | PLATEAU3 可視化用データ変換01-2 政令市の建築物.fmw | 注1 |
2 | PLATEAU3 可視化用データ変換02 道路・鉄道・徒歩道・広場・航路.fmw | |
3 | PLATEAU3 可視化用データ変換03 都市設備・植生.fmw | |
4 | PLATEAU3 可視化用データ変換04 土地利用・土砂災害警戒区域.fmw | |
5 | PLATEAU3 可視化用データ変換05 浸水想定区域.fmw | |
6 | PLATEAU3 可視化用データ変換06 都市計画決定情報・区域.fmw | |
7 | PLATEAU3 可視化用データ変換07 橋梁・トンネル・その他の構造物.fmw | |
8 | PLATEAU3 可視化用データ変換08 地下街fmw | |
9 | PLATEAU3 可視化用データ変換09 地下埋設物.fmw | |
10 | PLATEAU3 可視化用データ変換10 水部.fmw | |
11 | PLATEAU3 可視化用データ変換11 汎用都市オブジェクト |
注1: 政令市の建築物モデルの変換にあたっては、#1-2ワークスペースを実行することにより区ごとに#1-1を実行して区単位の3D Tilesを作成することができます。
これらのワークスペース(テンプレート)はFME Hub(下記URL)で公開しており、ウェブブラウザによって同サイトからダウンロードできるほか、インターネットに接続している環境であれば、FME Workbenchメニュー: File > Workspace from Template によって直接ダウンロード、展開することも可能です。
なお、3D Tilesデータセットへの変換を行うワークスペースを実行するには「日本のジオイド2011」ジオイドモデルに基づく楕円体高への変換を行うため、同じくFME Hubで公開されている次のテンプレートに同梱されているグリッドファイルが必要です。使用方法については関係ワークスペース(下記URL)の説明を参照してください。