一人で暮らすネネのもとに、就寝間際にスマホへメッセージが届く。「わたし、ロザリーさん。いま、あなたの家が見えたの」。ネネは先ほどまで見ていた心霊番組で紹介されていた「メリーさんの電話」を思い出すと、イタズラはやめてくれと打つ。しかし、メッセージには続きがあった。「わたし、ロザリーさん。いま、ベッドの隣に居るの」。隣を見ると、そこには黒いドレスを着た、金髪の少女がナイフを持って立っていた。
なんとかナイフをかわし、少女を拘束したネネ。聞くと、球体関節を持つその「人形」は、死神と契約して仮初の体を借り、三回あとの満月の日までに666人の女の子の魂を奪うことで真の人間の体を手に入れることができる…だったのだが、最後の1人であるネネに阻止され、ナイフはネネによって川に捨てられてしまったため、もうネネを殺す理由はないのだという。まるでファンタジーのような話と思いつつも、ネネは帰る場所もないその人形、「ロザリーさん」と一緒に暮らすこととした。
日々、ネネが学校に行っている間はとくにやる事もない元・着せ替え人形ロザリーさんは、服を作ってネネを着せ替えてみたり、ネネの提案で一緒に山に登り、ネネと昔仲のよかったぬいぐるみについて教えてもらったりしていたが、やはり、元の持ち主であるアリスの事が気になった。一目で良いから会いたい。この体が消えてしまわぬうちに…。
ひょんな事から、おそらくアリスとの日々はおおよそ80年も前の事だと知ったロザリーさんは、途方にくれていた。その間に独自に調査を調べていたら、ついにネネはアリスの今をしる。しかし、知らせるべきだろうか…。そんなうちに、死神との約束の日、ハロウィンがやってきた。
アリスの今を知り、自己嫌悪に陥るロザリーさん。その時、空中からナイフが現れる。あれは間違いない…665人の女の子の命を奪った、死神から渡されたものと同じナイフだった。ロザリーさんへ飛ぶナイフだったが、瞬時にロザリーさんをかばおうとしたネネの心臓を貫く。
目を覚ましたネネ。ネネも「死神」と会ったのだという。死神にロザリーさんの命を奪わないように懇願したネネは、自分の死後、地獄に落ちる代わりに、ロザリーさんに真の人間の体を与えてもらう契約を結ぶのであった。