3次元の剛体変換を表すリー群$\mathrm{SE}(3)$と、リー代数$\mathfrak{se}(3)$に関する、自分用のメモ書きです。
リー代数$\boldsymbol{\xi} = \left[ \begin{array}{c} \boldsymbol{\phi} \ \boldsymbol{\rho} \end{array} \right] \in \mathfrak{se}(3)$と、それに対応するリー群(剛体変換)$\mathbf{T} = \exp(\boldsymbol{\xi}^\wedge) \in \mathrm{SE}(3)$を考える。
ここで、$\mathbf{C} = \exp(\boldsymbol{\phi}^\wedge) \in \mathrm{SO}(3)$は、$\boldsymbol{\phi}$から得た回転行列である。
またヤコビ行列$\mathbf{J}$は、こちらのメモで定義された$\mathbf{J}_l$と同じものである(左側バージョン)。
$\boldsymbol{\xi} = \left[ \begin{array}{c} \boldsymbol{\phi} \ \boldsymbol{\rho} \end{array} \right] \in \mathfrak{se}(3)$に対して、$\wedge$演算子は次のように定義される(Wedge演算子)。
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$\boldsymbol{\xi}$ から回転を表す成分$\boldsymbol{\phi} \in \mathfrak{so}(3)$を取り出して、回転行列$\mathbf{C} = \exp(\boldsymbol{\phi}^\wedge) \in \mathrm{SO}(3)$を計算する。 計算方法は、こちらのメモを参照する。 -
$\boldsymbol{\phi} \in \mathfrak{so}(3)$ から、(左側バージョンの)ヤコビ行列$\mathbf{J}(\boldsymbol{\phi})$を計算する。 計算方法は、こちらのメモを参照する。 -
$\boldsymbol{\xi}$ から$\boldsymbol{\rho}$を取り出して、$\mathbf{J}(\boldsymbol{\phi}) \boldsymbol{\rho}$を計算する。 -
$\mathbf{C}$ 、$\mathbf{J}(\boldsymbol{\phi}) \boldsymbol{\rho}$が揃ったので、それらをまとめて$\mathbf{T}$とする。
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$\mathbf{T}$ の左上のブロック(回転行列)$\mathbf{C}$を取り出して、$\mathbf{C}$に対応するリー代数$\boldsymbol{\phi}$を計算する。$\mathbf{C}$ から$\boldsymbol{\phi}$への変換は、こちらのメモを参照する。 -
$\mathbf{T}$ の右上のブロック$\mathbf{J}(\boldsymbol{\phi}) \boldsymbol{\rho}$を取り出して、ヤコビ行列の逆行列$\mathbf{J}(\boldsymbol{\phi})^{-1}$を掛けることで、$\boldsymbol{\rho}$を計算する。$\mathbf{J}(\boldsymbol{\phi})^{-1}$ は、次のように定義される。 計算方法は、こちらのメモを参照する。 $$ \mathbf{J}(\boldsymbol{\phi})^{-1} = \frac{\phi}{2} \cot \frac{\phi}{2} \mathbf{I}- \left( 1 - \frac{\phi}{2} \cot \frac{\phi}{2} \right) \mathbf{a} \mathbf{a}^\top
- \frac{\phi}{2} \mathbf{a}^\wedge $$
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$\boldsymbol{\phi}$ と$\boldsymbol{\rho}$を結合して、$\boldsymbol{\xi}$を得る。