2014年6月13日から約2ヶ月間に渡り、岐阜県大垣市で「コア・ブースター・プロジェクト2」というプロジェクトを開催しました。
このプロジェクトは、地場産業と情報産業という異分野をかけあわせ、新規事業につながるイノベーションを創出することを目的としたものでした。そのために19社から24名の参加者が集まり、多様な視点や知識を持ち寄って共にアイデアを創出し、自らの技術等を提供し合い、実装しました。
複数の企業間のプロジェクトにおいては、プロジェクトの内容、各企業の役割分担や責任、知的財産の取り扱い等を厳密に定めた契約書を締結するのが通常です。しかしながら、既に何をつくるかが決まっている段階ではなく、0から1をつくろうというプロジェクトの初期段階において、事前に詳細までを定めることは不可能です。また、数社間であればまだしも、20社近い参加企業で契約書を締結するのはほぼ不可能です。仮に締結できたとしても、事前に決めてしまうことにより活動の幅が限定され、柔軟に対応できなくなります。
そこで、本プロジェクトにおいては、複数企業が参加し0から1をつくる共創の場において、適切に知的財産等を取り扱うための最低限のルールを盛り込んだ同意書、およびその解釈を具体例で示したFAQを、法律の専門家である弁護士の監修のもと作成しました。
今後開催されて行く企業間の共創プロジェクトにおいて、参加者と主催者、双方にとって知的財産が適切に扱われ、共創から新しいビジネスや産業が生まれ、持続可能な社会になっていくことを期待して、ここにテンプレートとして公開いたします。
なお、この同意書とFAQは、文部科学省・科学技術振興機構による「革新的イノベーション創出プログラム(センター・オブ・イノベーションCOI STREAM)」に明治大学が中核機関になり、COI-T(トライアル)拠点として採択された「感性に基づく個別化循環型社会の創造」の一環として、連携機関の1つである情報科学芸術大学院大学[IAMAS]において作成されました。
免責事項:
このドキュメントは、新規事業創出のための共創プロジェクトにおける試行錯誤やノウハウを蓄積および共有することを目的としています。著者、著作権者、監修者、プロジェクト主催者等のプロジェクト関係者は、このドキュメントに掲載した情報の利用によって、利用者または第三者等に何らかの損害が発生したとしても、かかる損害については一切の責任を負うものではありません。掲載内容に誤りがあった場合も同様です。
『メイカソン参加同意書とFAQ』はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス【表示-継承 4.0 国際】で提供されています。なお、本ライセンス8.c.の規定にしたがい、本ライセンス3.a.に規定する【表示】に関する条件または権利を明示的に放棄いたします。したがいまして、この同意書の派生物をつくる方は、本ライセンスが求める権利者名の表示を行わないでも、本同意書を利用することができます。ただし、本ライセンス3.aに規定する条件以外の本ライセンスにおける諸条件については、したがっていただく必要があります。したがって、それぞれのプロジェクトで使用する場合には、それぞれのプロジェクトに合わせて改変し、その結果を同じライセンスの元で公開してください。また、二次利用の際には可能なかぎりGitHub上でforkし、派生関係がわかるようにしてください。
作成:小林 茂(情報科学芸術大学院大学[IAMAS])
監修:弁護士 水野祐(シティライツ法律事務所)